妙高火打北方 要山(828m)、粟立山(1194m)、三峰山(1151m)、 2012年5月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間  5:40 車道−−7:14 要山−−8:47 粟立山 9:09−−10:02 三峰山 10:12−−11:12 粟立山−−11:58 要山−−12:33 車道

場所新潟県上越市/妙高市
年月日2012年5月2日 残雪期日帰り
天候
山行種類残雪期登山
交通手段マイカー
駐車場旧新井スキー場への除雪終点付近の路側に駐車
登山道の有無たぶん無し
籔の有無残雪でちょっとしか籔は出ていなかった
危険個所の有無埋もれた林道のトラバースくらいか
山頂の展望各ピークとも展望良好
GPSトラックログ
(GPX形式)
無し
コメント ・要山、粟立山、三峰山とも登山道無し。主にスキーで登られる。登山ポストなし・スキー場まで車道は除雪されているが、林道は未除雪で林道入口付近に駐車スペースなし。路側に駐車する・要山東側の谷沿いにある林道経由で要山に登り、大毛無山から粟立山の稜線を通る林道で大毛無山〜粟立山間鞍部に上がり、稜線経由で粟立山、三峰山に登る
・残雪は下部で途切れ途切れだが林道が使えたので籔漕ぎ無し
・林道が沢を渡るところから谷沿いを登ったが残雪が続いて籔漕ぎ無し
・要山南東尾根の山頂直下のみ雪が割れて10mほどの灌木藪漕ぎ
・要山は電柱あり
・上部の林道はほぼ完全に雪に埋もれて跡形もない。傾斜が急な雪面のトラバースもありピッケルがあって心強かった
・粟立山は巨大雪庇が最高峰。西側のピークの方が高いが地形図では東端ピークを山頂としている
・粟立山〜三峰山間はずっと残雪が使えた。危険個所は無し
・三峰山は広い山頂で立ち木無し。展望良好


ルート図。クリックで拡大


ARAI MOUNTスキー場への道。除雪されていた 御備川に架かる橋。水量多く橋が無いと渡れない
雪に埋もれた林道を進む 林道が左岸に渡る場所から谷に入る
高度が上がると一面の残雪 快適に高度を上げる
沢も雪の下に埋もれてしまった 要山が見えてきた(奥のピーク)
要山直下で雪が割れて灌木籔 10mほど灌木籔漕ぎ。今回唯一の籔
雪庇残骸で籔を避ける 要山山頂。電柱が立っている
要山から見た南の展望
要山から見た東の展望(クリックで拡大)
林道目指して登る。かなりの残雪量 林道に出たが予想通り雪の下
林道の形跡はこれくらい
林道が稜線を乗り越える個所(南葉山峠)。法面と雪庇の雪壁が連続するので東を巻く
稜線上を進む 間もなく粟立山
粟立山山頂
粟立山から見た大毛無山。1200m峰が邪魔で三峰山は見えない
1200m峰から見た西側の展望
1200m峰を下る 三峰山へつながる尾根も残雪たっぷり
北側を巻き気味に進む 傾斜が緩むと雪が増える
三峰山の広い山頂部 三峰山山頂
三つ峰山から見た鉾ヶ岳〜日本海
三峰山山頂部唯一の立木。赤布あり 粟立山に戻る
1200m峰への登り返し 粟立山山頂から南下
粟立山直下から見た大毛無山と要山
林道は2か所だけ雪から出ていた 林道上を歩いているがただの雪の斜面
林道を外れ、要山に続く尾根に乗る
帰りがけに要山から見た川内山塊〜越後三山(クリックで拡大)
要山から下る 林道に合流
林道入口。今は残雪で車が入るのは無理


 妙高山北側には大毛無山や南葉山があるが、その周辺には登山道が無い山がいくつもある。今回はその中でも大毛無山のすぐ北側の要山、粟立山、三峰山に向かうことにした。道が無いので残雪期限定。新潟下越では標高が低い所は既に雪が消えて籔漕ぎだったが、この付近は信じられないほど残雪が多く、ルートを選べば車道から残雪に乗れそうだったが斜面下部は雪が連続していなくて部分的に藪に突入の可能性が。そこで要山東側の谷沿いの林道で標高を上げて雪にありつこうと考えた。

 林道入口があるARAI MOUNTAINスキー場へ通じる道は除雪されていたが、林道入口付近は2m近い雪壁と残雪量は充分。壁をよじ登って雪原を横断、御備川を渡る橋を利用する。御備川は水量が多く橋が無いと対岸へ渡るのは不可能だ。その先は大量の残雪で林道がどこを通っているのか判断不明で、杉植林帯を適当に上を目指す。斜面を登っていると徐々に雪が減少、籔が出てきた。このまま適当に尾根に取り付くと藪に突入するのは確実そうで、雪の上を選んで進みつつ再び林道が現れるのを待つと上方に林道登場。とりあえず林道終点までは籔漕ぎ無し。

 林道は沢の右岸に続きなだらかに登り、やがて右にカーブして左岸に移るところで林道を離れ、そのまま左岸を登る。幸い、ここまで来ると雪が切れることはなく上部まで続いているのが見えたので安心。最初だけ細い雪の帯を登ると一面が残雪の広い谷に出て、そのまま斜面を登る。地形図では夏道があるように書かれているが、この残雪では確認は不可能だ。それなりに傾斜があるところはあるが、まだ雪は固く締まっていないのでアイゼンやピッケルを使うまでもなく登れる。

 地形図の破線は辿らずに沢の右岸側を登り、標高720m緩斜面で要山から南東に延びる尾根に乗る。この尾根は尾根上から北に向けて等高線に沿って雪が帯状に割れて灌木藪が出ていたが、距離は10mほどなので迂回せず突破。上部は再び雪の稜線が続いてかなめやm山頂到着。下から見上げて電柱のような物が見えていたが、それがあるピークが要山だった。柱には何も付いておらず、一体何に使われていたのかは不明。稜線直上は雪が残っているが南北の斜面は灌木藪が出てしまっており、南北の展望は良くない。でも東は良好で遠くは川内山塊らしき白い山が見えていた。今日は曇りで空気の透明度はイマイチだがこれだけ見えれば満足だ。西を見ると雪が付いた尾根が続いていて、今後も籔漕ぎの心配はなさそうだ。

 西に尾根を登ると灌木藪からブナ樹林に変貌、広い斜面を登って尾根が狭まり1070m峰を越えると僅かに顔を出した林道が登場。この先は省力化のため尾根を登らず林道沿いにトラバースする予定だが、予想通り林道は雪に埋もれて跡形もなく、これから歩くのは雪の斜面だ。地面は見えず籔漕ぎはないが、一部傾斜がきつい所があり、ピッケルで滑落しないよう支えながら横断。でも雪はそこそこ柔らかいのでアイゼン無しで問題なし。

 斜面の傾斜が緩むと林道が乗り越える南葉山峠直下に到着。ここから稜線に乗ろうと考えていたが、林道は尾根を切通しで乗り越えており、その法面は雪に埋もれず現れたままで登ることはできない。また、稜線東側直下は雪庇の雪壁でこれまた登れないので、北にトラバースして東に張り出した小尾根で稜線に乗り移ることに。ブナが点在する斜面を横切って稜線上に出た。ここから見える範囲の稜線上はべったりと雪が付いて籔漕ぎの心配はないようだ。ただし西側斜面はもう雪が消えて藪が現れていた。

 うねった雪庇で少々アップダウンがあるが、概ね歩きやすい雪稜が続く。今は本当の尾根直上ではなく尾根東側にできた広い雪庇が尾根のようだ。緩やかに高度を上げてピークに到着。西側にもっと高いピークがあるが地形図上の粟立山は今いるピークだ。今の時期の最高点は雪庇上。ここも展望は良い。北に見えるピークが三峰山のように思えるのだが、方位磁石で正しい方向(北西)を確認すると目の前の1200m峰が邪魔してその姿は見えなかった。雪庇の影で冷たい南風を避けて休憩。

 次は三峰山を目指す。1200m峰が邪魔でこれから歩く尾根が見えない中で出発するのは不安感があるが、1200m峰に登れば尾根の様子全体を見渡すことができ、今まで同様真っ白な尾根で籔漕ぎは無さそうで安心。最初の下りは帰りの登り返しが思いやられるまとまった標高と傾斜。それを過ぎると小さなアップダウンのなだらかな尾根に乗る。尾根南側は傾斜がきつい所は雪が落ちてしまっているが、尾根直上及び北斜面はずっと雪が付いていた。1092m肩の少し先で小規模なナイフリッジ。ただし距離は短く刃は厚めで緊張感はない。そういえば今年はまだまともなナイフリッジに出会っていない。

 その後は尾根が広がり、南斜面も雪で真白。1128m峰を越えて三峰山が近づいた。最後の登りが終わると傾斜が緩むと同時に尾根の幅がが急激に広がり、広大な三つ峰山山頂部の一角に到着。ほとんど木はなく真の山頂より少し手前に半分埋もれた傾いたブナが立っていて、そのてっぺんに赤旗が付いた竹竿がくくりつけられていた。こんな辺鄙な山でも訪問者がいるようだが、当然この積雪量の時期は山スキーだろう。ここまで歩いてきた尾根はそれほど険しい地形はなく、もっと雪がある時期ならばスキーで楽しめそうだ。GPSが示す山頂は三角点の一なので山頂平地の西端。立ち木はなくたぶん2,3mの積雪で三角点の確認は不可能。正面(西)には鉾ヶ岳。左に目を移すとスキー場が見えるが、シャルマン火打だった。そのゲレンデは一面の雪。駐車場に置かれた車も見られ、今でも営業しているようだった(今年は5/6まで営業)。ゲレンデから南に延びる尾根も真っ白で火打山まで続いていた。あの尾根上にもピークがあるが、この積雪量なら大型連休明け次週でもまだ籔は出ていないかな?

 帰路は往路を戻る。要山の下りは藪を避けて東に下ってクラックを迂回、右にルートを取って往路と同じく沢の右岸を下って雪に埋もれた林道へ。車道に出る際に往路より北側で雪壁が低い場所があったのでそこから除雪された道路に立ったが、偶然にも林道入口だった。


補足にヤマレコの記事もどうぞ(PDFファイル。ここをクリック)

 

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